GW後半戦は南アルプスの仙丈ケ岳へ。
最終日にアクシデントが発生してしまい、ご迷惑、ご心配をかけてしまった皆様にお詫びを申し上げます。
初日は5時30集合で朝一便のバスに乗り込みます。
自分達の他はボーダーが2名だけ!
GW前半と同じくほぼ貸し切りの予感。
わざわざ南アルプスに滑りに来るもの好きな人達が集まりました(笑)
急遽、テールガイドを頼んで出発~。
今年は残雪多め。
平右衛門谷はデブリ上を通過。
1.5時間歩いてやっとブーツの重さから解放。
不用品を宿にデポってここからが本番!
でもシールは使わないのでひたすらスキーを背負って登ります。
やっと森林限界へ。
バックは甲斐駒ケ岳。
北ア&中央アルプス。
富士山、北岳、間ノ岳、日本の標高1、2、3!
奥深い南アルプスの山々。
初日は小仙丈カールへ。二年前と比べたら雪が多い~。
南ア産の雷鳥先輩にも会えました!
山頂は明日へお預け。
サクッと良い斜度を頂いて登り返し。
時間があれば奥に見えるもう一段下もオススメ斜面。
意外と雲が多い初日でした。
上部は快適だった雪投沢でしたが・・・。
!!!んなんじゃこれ~!!!
聞くところによると雪が多かったのに加えて春先に大雨が降って土石流みたいな雪崩が発生したとかしないとか?
酷い状況に( ゚д゚)ポカーンでした(笑)
ハンパねー倒木だらけ!
いくらジブが好きな人でもすべてこすって行けません!絶体引っかかるし(笑)
いつもは結構快適に林道まで滑れるのに~。
途中から林の中を無理やり滑って無事に林道到着。
いや~、自然の力ってゴイスー。
先ずは初日、お疲れちゃんでした~!
この日は何んと生歌コンサート!
OJIさんと言って山小屋とかでコンサートをしている音岳家だとか。
この冬は八方Pで車泊して滑って、夜はバーとかで歌ってたんだって~。
色んな生き方がありますね~。
18時30から1時間ほどでしたが街中のバーにいるみたいで酒飲んで気持ち良く聞いてました。
疲れて寝ていた人たちは内心「えええ~」ってなってたんだろーけど(笑)
明けて2日目。
4時30飯の5時30出発!
登山者しかいねー(笑)
このロケーション!
足りないのは滑り手だけ。
右の斜面にライダーがいれば海外発信出来る良い写真になりそうじゃない?
これも良いでしょ~。
初日に会ったボーダーさん達が撮影してました。
富士山、北岳バックにレイバック!これ、かなり良い作品になってるような。
山頂到着!いえーい!
皆さん、頑張りました!
2日目は大仙丈沢を林道まで!帰って来るのに林道歩き3時間かかるけどそんなのかんけーね~(笑)
上部はひろーい大斜面!
快適ザラメ、うひょ~!!
2ピッチ目もヒャッホー!面ツル!
端っこに当て込みに行く人(笑)
上部に見えてるのは巨大な破断面!
今年、雪が多かった証拠ですかね?
お!良いとこ来た~。
ザラメカービング!スキーうまおですね(笑)
沢状地形も楽しめます!
下部はデブリーランド。
ブルドーザーでも通ったんすか?(笑)
安全な所から巨大雪崩を見てみたいですね~。
下部はちょっぴりアドベンチャー。
ちょっと良く見える所からパチリ。
巨大雪崩のおかげで例年よりは歩く距離が短く楽に林道まで来れました。
昼休憩して出発!んん??変なのが写ってますね?(笑)
林道、がんばりましょ~。
北沢出合で休憩。竿を振るゲスト(笑)
なんと、テンカラで釣りあげちゃった!
自分はちょっとルアーでやってみましたがボーズでした、くやし~です!(笑)
北沢側は雪が残っていたので何とかシールが使えました。
本日も良く歩き良く滑りました~、2日目もお疲れちゃ~ん!
この後直ぐに「晩飯の配膳しますので~」と、追い出される(笑)
お世話になったこもれび山荘の支配人、竹元さん。
お世話になりました。美味しいご飯をありがとうございました。
通いなれた通勤路(笑)
3日目ともなると説明する事もないしで皆さん黙々と登るだけ(笑)
今日もサイコー!なのだが、贅沢にも見飽きた(笑)
今日はここから滑りま~す!この数分後にまさかの事故発生。
詳細を書くべきか悩んだのですが誰にでもありえる事で気を付けて頂きたいし、本人にも了承を得たので。
「俺、写真撮りたいからリグループポイントまでよろしく~」と、テールガイドのIくんを先に滑らせたのですが・・・。
左側が東向き斜面で右側に見えてる面は北を向いてました。
勢いよくヒャッホーしていったな~と見ていると北向き斜面で左ターンの時に硬くてガガガガガ~と嫌な音と共にビンディングが解放してしまい、その勢いのまま滑落!
自分の位置からは下部は見えませんでしたがすぐに見える位置まで動くと、どうやら木にぶつかって止まったみたいでした。
無線で呼びかけるも反応が無いので降りていくとスキーは上部に刺さってストックは片方折れていました。
本人は意識はありましたが鼻からの出血で血だらけ&混乱で記憶が飛び、自分が何をしていたかもわからない状態。
無線でゲストに待機を指示した後に「落ち着け、スキー外れて滑落して木にぶつかったんだ」と言ってファーストエイド開始。
止血&顔を洗浄&痛いとこチェック。
鼻血のせいで派手に見えただけで致命傷は見当たらず。
本人曰く、歯が折れたかも&左足が靭帯やったかもで歩けない状態。
この後の行程を考えると人数が居ても自力下山は無理だと判断してヘリを要請しました。
一番は頭を打っていたので早く病院で精密検査しないと危ないかもと思ったのが決定的理由。
この木にぶつかったようです。
ヘルメットは凹んでました。
無かったらヤバかったと思われます。
止まった現場から上の斜面。
上部に見えている木に一回ぶつかって、次に止まった木にぶつかってと二回ヒットした感じ。
スキーが外れて転んだ瞬間に片方のストックは放してしまい、一本のストックで止めようとしたらしいのですが止まるはずも無く、折れてしまい、木が迫って来たので足で蹴って体勢を変えようとして一本目にぶつかったあたりから記憶はないようです。
止まった所から下部。
ここで止まらなかったらさらに加速して危なかったかもしれません。
もちろん自分もヘリを呼んだのは初めて。
それでもいつも登山届のコピーを持ち歩いているので緊急連絡先など、スムーズに話は進みました。
ヘリのダウンウオッシュはかなり強く、スキーは雪に刺したくらいじゃダメでした。
雪面と一緒になるくらいに埋めた方が良かったです。
手際よくハーネスを付ける長野県警の救助隊員。
あっという間に吊られて行きました。
幸い、病院での診察では靭帯では無く、腓骨骨折との診断だったようです(下腿の細い骨)
心配していた脳震盪も大した事が無く、一日検査入院しただけで翌日には退院出来ました。
前歯は何本か欠けたみたいですが。
ヘリを見送ったらご安全に帰らなきゃ行けません!
Iくんのスキーをザックに付けて滑るとテールが引っかかってまともに滑れませんでした(笑)
残念ながら救助で時間が経ってしまったお目当ての斜面はストップ雪に。
皮肉にもIくんが滑落した所がこの時間はGOODザラメだったようです(笑)
良い斜面が続きますがストップも続きます(笑)
藪沢に合流~。
ちょいと密&急な所も何とかこなして。
一人を除いて無事に林道到着!
最後の林道アルバイトを終えてまったりバスを待つ勇者達。
三日間、超お疲れ様でした!
最終日にガイドがやらかしてしまい、ホントに申し訳ありませんでした。
はっきり言ってしまえば、斜面方位を考えずにチェックからスピードを出して突っ込んで行ってしまったミスだと思います。
そして、「硬い所あるかもだから最初は慎重にねー」と、言わなかった自分のミスでもあります。
もしかしたらTECHビンディングじゃなかったら耐えれたかもしれません。
解放値などいろいろな要因があるのかもしれません。
僕も以前再凍結した硬いバーンでのバイブレーションで外れて滑落しかけて一本スキーを流してしまい、谷底まで友人ガイドに取りに行ってもらった苦い経験があります。
それならと、ロックして滑って転ぶと今度は外れなくて靭帯を切った経験もあるのです。
でも、今からトレッカーに戻れるかと言ったらう~んな人がほとんどじゃないでしょうか?
バックカントリーでは標高、斜面方位、気温、風の当たり具合、時間などで雪質は変化します。
常に慎重に考えて滑らないと今回のような事は誰にでも起こりうる事だと思います。
Iくんも良い経験になったと思います。二度と同じミスはしないでしょう。
何だかんだ言っても遭難した事に変わりはなく、迷惑をかけてしまったのは事実で反省するしかありません。
まだまだ春シーズンは続きますので皆様もお気を付けて!